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突然ですが皆さん、結婚したいと思っていますか?
明治安田生命生活福祉研究所が行った「2014年 20~40代の恋愛と結婚(第8回 結婚・出産に関する調査)」によると、20代男性の70.4%、20代女性の85.8%が「結婚したいと思う」と回答しています。これを多いとみるか、少ないとみるか分かれるところです。実際、50歳までに一度も結婚したことがない割合「生涯未婚率」は、1990年時点で男性が5.57%、女性が4.33%だったのに対し、2010年には男性が20.14%、女性が10.61%(国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2014)」より)と、この20年で大きく上昇しています。
「20~40代の恋愛と結婚」の調査では、この「生涯未婚率」をどう思うかにも質問していて、男女共に最も多かった回答が「結婚は、あくまで人生の選択肢のひとつであって、結婚を望まない人が増えてきたからだ(男性79.7%、女性90.2%)」でした。働き方やライフスタイルが多様になり、あえて結婚を選ばないという価値観が出てきたのも当然かもしれません。
それに伴ってか、ネットを見ていると「結婚のメリット・デメリット」を紹介する記事がチラホラ出てきています。中にはデメリットが大きいので結婚しないという意見もあります。それも一つの考えかもしれませんが、単純にメリット・デメリットだけで結婚を判断するのはちょっともったいない気がします。
前述の調査の内容に戻ると、「結婚して良かったと思う理由」について、全体では「好きな人と暮らせた」が58.4%で一番でした。逆に、「結婚して良かったと思わない理由」のトップは「配偶者に不満がある(73.0%)」でした。好きな人と暮らすことは喜びになるけれど、不満にもなっているんですね。そして、「離婚を考えている(考えたことがある)理由」のダントツトップは「性格・価値観の不一致」68.9%でした。やっぱり、という感じでしょうか?
今の時代、最初から不満があって結婚する人はほぼいないでしょう。「この人となら!」と思って結婚したのに、後になって不満が出てきているんですね。ということは、結婚が良くなるか悪くなるかは、結婚後の関係性で決まると言えるのではないでしょうか? そうなると、結婚前にメリット・デメリットを論じてもあまり意味はないということになります。ゴールインして終わりでなく、その後どれだけ関係性を深め、愛情を深められるかがポイントのようです。
株式会社オールアバウトの「生活トレンド研究所」が2014年10月に発表した「20~40代の恋愛・結婚・家庭観に関する調査」の中で、独身者が「結婚相手に求めるもの」と、既婚者が「結婚の決め手となった配偶者の長所」というのがありました。その調査結果を見ると、男性の独身者・既婚者共に、上位三つは「思いやりや優しさがある」「価値観が同じである」「一緒にいて癒される」でした。一方、独身男性が結婚相手に求めるもののトップ10に「女性らしい」「趣味が同じである」が入っていたのに対し、既婚男性は10位以下に消えていました。
同研究所では「男性が結婚前と後で配偶者への要求を著しく減らしている」と分析しています。逆に女性は、既婚者になると「育児に協力的」「出産、子育てに関する考え方が近い」がトップ10に入ってきたことを受け、「双方が結婚を経て現実を受容し、実践的な態度を身につけ、人間観を深めた、と言えるのかもしれません」と解説しています。
見方によっては「妥協」とも言えなくはないですが、「人間観を深めた」というとちょっといい感じがしますね。相手への要求はなくならないにしても、それを受容し、認めることができた先に結婚の味わいがあるのかもしれません。
森川 功補(結婚コラムニスト)